売上請求は入金までしっかり管理しましょう。

事業者のみなさまにとって売上は生命線。

「先月の売上高はいくらでしたか?」「今月の売上の予測はどのような感じですか?」

と尋ねると、すらすらお答えいただけます。

しかし、

「今日の時点で、未入金の額はいくらですか?」

と尋ねると、

「・・・」

と返事につまる方が多いです。

●●ワインの試飲●●
先日、勝沼のぶどうの丘へ行ってきました。
ここでは1,500円で、ワインカーヴ(地下のワイン貯蔵庫)にある約200種類のワインを試飲することができます。
私もいったい何種類飲んだのか忘れるくらい飲みました。
が、試飲で満足してしまい、ワインの購入まで至らずで・・・。

売上は大事ですが、代金の入金管理も同じくらい大事な理由

売上が一番気になるのは当然のことです。

売上があがらなければ、お金も増えないからです。

でも、いくら売上があがっても、いつ、いくら入金されるかがわからなければ、資金繰りの算段がつきませんよね。

たとえば、月末に300万円の支払があるとして、今100万円しか手元にお金がない場合、支払いができるかどうかは月末までに入金される金額に左右されます。

しかし、入金予定がわからず、いざ入金があって、(えっ!全然足りないじゃん!!ヤバイ!!!)となると、もう取り返しがつきません。支払不履行により多種多様なダメージを受けることとなります。

もし入金予定をきっちり把握していれば、借入れを起こしたり、リスケをお願いしたりして、事前に支払不履行を回避できるかもしれません。

また、入金はあったけれど、それがどの請求に対応するものなのかを把握していないと、請求した金額が全額入金されているのかわかりません。

もしかしたら、「請求金額を間違えていた」とか「大昔の請求が未入金になっている」なんてことが起きないとは言い切れませんよね。

そういった事態を回避する意味でも、代金管理は非常に重要です。

管理表作成のすすめ

「入金まで管理することの重要性はわかった。じゃあどうすればいいんだ?」

はい、管理表を作成することをおすすめします。

管理表と聞いて、「えっ!めんどうだな」と思われた方。

Excelで簡単に作ることができますので、以下の手順を参考にして、ぜひ作成してみてください。

手順1

Excelの1行目に、管理するうえで必要な項目のタイトルを入力します。

上の図では、私が日常的に使っている情報を載せています。

黄色に色塗りしている項目は、管理する上で必須です。しかし、その他は不要であれば、削除してもかまいません。また、みなさんの管理上、他に必要な情報があれば、載せてください。

手順2

「残高」の欄に、「請求金額」から「入金額」「負担する振込手数料」「その他差し引かれる費用」を差し引く関数を設定します。

上の図では、セルJ2に「D2-G2-H2-I2」という関数を設定して、その関数をセルJ3以下にコピー・ペーストしています。

手順3

請求書から「請求先」「請求日」「請求金額」を入力します。

上の図では、同じ請求先に同じ請求日で請求書が2通以上あるときは、それぞれの請求書について入力をしていますが、一括入金となるような場合には、合算して入力してもかまいません。

手順4

預金通帳から「入金日」「入金額」を入力します。

また、請求先から交付を受けた明細書や請求書などから「負担する振込手数料」「その他差し引かれる費用」を入力します。
※「負担する振込手数料」は、ご自身で計算する取決めの場合には、金融機関のホームページで調べてみてください。

手順5★重要ポイント★

「残高」=0は、請求から入金までが完了したことを意味します。

しかし、金額が残る場合には未完了です。金額が残っている原因を精査しましょう。

上の図では、

・ABC株式会社の6/27入金分⇒300円が未入金

・一般社団法人OPQの7/10入金分⇒216円が超過入金

となっています。

こちらの入力ミスが原因でなければ、請求先に確認をして、未入金・超過入金の解消を行わなければなりません。

※補足

1行目にフィルタをかけると、さらに管理がしやすくなります。

たとえば、「残高」で金額に残っているものだけをフィルタリングすると、その時点での未入金分だけが表示されます。

「請求先」でフィルタリングすると、特定の相手先への請求金額のトータルがわかります。

「請求日」でフィルタリングすると、特定の年月や期間の請求金額を見ることができます。

「入金予定日」でフィルタリングすると、その日に入金される予定の金額を確認することができます。将来の資金繰りという意味では、もっとも有用です。

今回のまとめ

今回は、売上代金の入金まで管理することの重要性をお話しさせていただきました。

事業を継続するためにはおカネが必要です。

そのおカネは、売上代金が一番の原資となるわけですから、今回ご紹介した管理表などを用いて、入金もれが起きないようにしっかりと管理をしましょう。

ジル観察日記

テレビに映ったネコをじ~~~っと見ています。

「ボクの方がかわいいな・・・」