【シミュレーション】合計所得金額の見積額を計算しましょう~年金編~

年末調整の資料には、奥様や扶養親族の「合計所得金額の見積額」を記入する欄がありますが、どの金額を記入するのかお話ししたいと思います。

年金も額面金額が所得金額ではない

年金に関する所得は雑所得と言います。

雑所得とは

雑所得は、所得税法で規定される以下の9種類の所得どれにも当てはまらない所得です。

・給与所得
・退職所得
・事業所得
・不動産所得
・譲渡所得
・配当所得
・利子所得
・山林所得
・一時所得

通常は、上に掲げた9種類の所得のどれかに当てはまることが多いのですが、今回取り上げる年金、FX取引やビットコインなどの仮想通貨取引で得た所得はどれにも当てはまらず、雑所得に区分されます。

雑所得の計算

年金の雑所得は、

収入金額-公的年金等控除額

で計算をします。

収入金額=額面金額ですので、お給料編と同様に、年金に関する所得金額も額面金額ではないことがおわかりいただけるのではないでしょうか。 

なお、年金以外の雑所得、例えば、先ほどの仮想通貨取引などで得た所得は、

総収入金額-必要経費の額

で計算をします。

年金の所得金額は速算表にあてはめて計算する

では、「公的年金等控除額はどうやって計算するの?」という話になりますが、所得税法第35条第4項で計算方法が規定されています。

第三十五条 
(中略)
4 第二項に規定する公的年金等控除額は、次の各号に掲げる金額の合計額とする。ただし、当該合計額が七十万円に満たないときは、七十万円とする。
一 五十万円
二 その年中の公的年金等の収入金額から前号に掲げる金額を控除した残額の次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に掲げる金額
イ 当該残額が三百六十万円以下である場合 当該残額の百分の二十五に相当する金額
ロ 当該残額が三百六十万円を超え、七百二十万円以下である場合 九十万円と当該残額から三百六十万円を控除した金額の百分の十五に相当する金額との合計額
ハ 当該残額が七百二十万円を超える場合 百四十四万円と当該残額から七百二十万円を控除した金額の百分の五に相当する金額との合計額

なんだか面倒な計算方法で、計算間違いをしてしまそうですね。

実は、国税庁のタックスアンサー「No.1600 公的年金等の課税関係」では、公的年金等控除額の計算方法に関する説明はカットされ、いきなり所得金額を算出するような算式と速算表が掲載されています。みなさんは、こちらの速算表で所得金額を出してもらえれば大丈夫です。

令和2年分以降から速算表は、公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が「1,000万円以下」「1,000万円超2,000万円以下」「2,000万円超」の3種類に区分されることとなりました。

簡易シミュレーション ※令和2年分以降対応版

お給料編と同様に、額面金額と年齢を入力すると、所得金額が自動計算されるシミュレーションを作成しました。

なお、本シミュレーションは、公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が1,000万円以下の場合で、年金だけの方や年金以外の給与、事業などの所得がちょこっとだけある方向けです。

もし、年金以外の給与、事業などの所得が1,000万円を超える場合には、先ほどご紹介した国税庁のタックスアンサー中速算表をご覧ください。

※サイトポリシーの免責事項をご理解の上、本シミュレーションをご活用ください。

あとがき

年末を迎え、急激に寒くなってきました。

ジルはこたつの上に常駐することが多くなり、今朝もこのありさま。

伸びのカットはなかなか撮れないので、貴重!!!